末端は数十円から
ステマレビューは貧者のビジネス

 映画のサクラレビュー自体は以前からあったというが、それらは、どのように生み出されてきたのか。

「映画のサクラレビューは配給会社から発注を受けたPR会社がやっています。ただ、その会社が直接手を下すわけではなく、次の下請けのSNSプロモーション会社におろしている。そこの会社、もしくはさらに下請けに発注していく、という構図です」

 4次5次の下請けが行っているというサクラレビューを実際に書いているのは、在宅ワーカーや主婦だ。

「サクラレビューを書いているのは、ランサーズやクラウドワークスといった副業サイトに登録している人たちだと思われます。多くは主婦や在宅ワーカーで、彼らはお小遣い稼ぎのために1件数十円のレビューを書いているのです。それをPR会社の下請けがそのまま映画サイトのレビューに貼り付けていく。サクラレビューは数十円単位の仕事を主婦にやらせて、それを元締めが数百円で売って、会社が数万円の仕事にするという貧者のビジネスでもあるんです」

 それだけではない。少なくとも日本人にレビューを書かせれば、日本語はしっかりしているのだが、話題となった「鋼の錬金術師」では、副業サイトではなく、中国に発注して自動翻訳したため、おかしな日本語になったのではないかと三上氏は指摘する。

「もちろん配給会社はPR会社に直接、レビューを増やせとは言いません。しかしPR会社が、『うちのPRのおかげで、御社の映画のレビューサイトでの評価が4から5になりました』と報告書に書く目的で行っているとも考えられますね」

 映画のステマレビューには集客に加え、PR会社による虚偽の実績づくりの側面もあるのだ。