インフレはさまざまな要因で低下するが、それがすべて利下げの根拠になる訳ではない。米連邦準備制度理事会(FRB)は足元のインフレ鈍化について、一時的でテクニカルな要因が反映されているとして、利下げを実施する理由には当たらないと判断している。だが、新たなテクノロジーやビジネスモデル、統計手法がインフレ動向に反映されつつある中、同じように一時的でテクニカルな要因が潜んでいる可能性がある。それが実体化すれば、利下げの根拠は極めて強まるかもしれない。食品・エネルギーを除く、コアの個人消費支出(PCE)価格指数は3月、上昇率が昨年12月の2%から1.6%に大幅低下し、FRB関係者や多くのエコノミストに驚きを持って受け止められた。