「お父さん、大変。助けて」

 正男さんを呼び、車で病院に連れて行ってもらうと、緊急手術になった。

動脈が詰まり足指が壊死
バイパス手術を受けた

 栄子さんの足の指は動脈が詰まって血が通わなくなり、壊死(えし)していたのだ。原因は「膠原病(こうげんびょう)」。手足が冷えて白くなり、かゆくなったのは膠原病で起こる症状の一種で「レイノー現象」というものだった。栄子さんは相当かゆがっていたが、普通はあまりかゆくならないらしい。また手足の色も白くはならずに、紫色になることもある。

 膠原病は、真皮・靱帯(じんたい)・腱(けん)・骨・軟骨などを構成するタンパク質であるコラーゲンに全身的に障害・炎症を生じるさまざまな疾患の総称だ。

 代表的な疾患としては関節リウマチが知られているが、関節リウマチ単独でその他の膠原病すべて合わせたよりも患者数は多い。患者は、男性よりも圧倒的に女性のほうが多く、特に発症しやすい年代は20~50代であることが分かっている。

 公益財団法人難病医学研究財団が運営する難病情報センターのホームページでは、下記のような疾患が膠原病として紹介されている。

・ベーチェット病
・全身性エリテマトーデス(SLE)
・全身性強皮症
・皮膚筋炎/多発性筋炎
・結節性多発動脈炎
・顕微鏡的多発血管炎
・高安動脈炎
・悪性関節リウマチ
・多発血管炎性肉芽腫症
・混合性結合組織病
・シェーグレン症候群
・成人スチル病
・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
・巨細胞性動脈炎
・原発性抗リン脂質抗体症候群

 一般的に名前が知られている病名は「関節リウマチ」ぐらいだろう。とにかくたくさんの疾患があり、いずれも原因不明な上に、症状も複雑に入り組んでいるため、診断も治療も難しい。