次に、ハードウェアの違いです。海外のeSportsコンテンツは、パーソナルコンピュータ(PC)が中心です。ゲームの操作は基本キーボードとマウス、しかもゲームコンテンツ自体は無料ダウンロードのものもあるため、手軽にゲームを始めることができます。また、インターネットのネットワークとつながっていることから世界各地のプレーヤーとゲームが楽しめ、ゲームの中ではタイピングのチャットや音声で他のプレーヤーと実時間でコミュニケーションが取れるようになっています。

 日本のゲームのハードウェアはゲーム会社から発売されている専用コンソール機器が中心になっており、プレーしたいゲームのために指定のコンソール機器とソフトウェアを購入する必要があります。また、ネットワークでつながったプレーも可能ですが、基本つながっていなくてもゲームをプレーするには問題ありません。

(3)法規制

 海外のeSports大会が注目される理由の一つとして、魅力的な賞金が用意されていることが挙げられます。例えば、海外のメージャーリーグ大会の賞金額は100万ドル(約1億1000万円)を超えています。このことは、参加者もしくは参加チームとして非常に大きなインセンティブになります。

 一方、現在の日本の法規制では、ゲームIP(知的財産権)を持っている会社がそのコンテンツの大会を主催し、賞金を出す場合は10万円の制限があります。残念ながら参加する側としては、海外と比べるとあまりインセンティブにならないようです。しかし、ゲームIPの会社ではない企業が大会の賞金に協賛する際は金額の制限がないため、日本でも魅力的な賞金額を設定することは不可能ではありません。

(4)大口スポンサーの不在

 ゲームIP会社以外の企業が大会の賞金に協賛する際は金額の制限がないとはいえ、そもそも日本のeSports大会に協賛する大手企業が少ないのが実情です。海外の場合は、RedBull、McDonald、Nike、Intel、Nvidia、Twitchなど幅広い産業の企業が協賛として参加しています。また、日本のような法規制がないためゲーム会社も自由に予算が組め、大会やチーム、選手に対するスポンサーシップが大きなスケールで行なわれています。

 一方日本の場合は、(3)の法規制の問題でそもそもゲーム会社から出せる協賛金は制限があることから、eSportsエコシステムを育ていくには他の国よりも大手協賛企業の存在が必須です。協賛企業の数は増えていますが(2018年の日本eSports市場規模は、前年比約13倍成長している)、まだ一部のリーグやチームのみに集中されているようです。

 日本の大手企業の参加が積極的でない理由としては、eSportsという新たな市場について認知度が高くないことや、(1)のような背景からゲームに対すネガティブな印象があるため、まだ国内eSports市場が信頼されていないためと考えられます。