クルマで飛ばすこと3時間。現地の人々が軒下に座り込む市場をいくつも通りすぎ、アップダウンを繰り返す山道を乗り越え、どこまでも続くかのような、海岸線、畑、草原を乗り越え、夕方17時、ついに「兄貴邸」に到着した。
兄貴邸を囲む「壁」を見ると、はるか向こうまで続いている。
なんだ!このウルトラ大邸宅は!
僕はマデさんにお礼を告げ、兄貴邸に足を運んだ。入り口には、いくらするのか想像もつかないような外車が止めてあり、かわいい女性のお手伝いさんたち、男性のスタッフたちが、総出で僕を出迎えてくれている。
なんだ!このウルトラ出迎えは!
中庭の門をくぐって、玄関に歩いていく途中に、大きな堀があって、堀の底の池には、2メートルはありそうな巨大なワニがいた! そして、その堀の横を、クジャクが普通に歩いている! 15メートル級のプールと噴水もある! 庭がどこまで続いているのか、一瞬、わからないくらい広い。
そして、どうやら、兄貴邸の屋上は「ヘリポート」になっている!すげえ、兄貴邸! これで、25軒ある自宅のうちの1つかよ!
玄関で、今回の「兄貴邸への訪問日程」や「現地でのクルマの手配」などを調整してくれた、古屋司さん、田中克幸さんと「握手」した。古屋司さんは「兄貴ツアーの現地担当者」をしており、田中克幸さんは「兄貴の会社のスタッフ」をしている。
お2人は、とてもフレンドリーで、かつ仕事がものすごく速い。さすがウルトラ大富豪の兄貴の周りは、サポートする人々の体制も、万全だ。
ドキドキしながら、玄関をくぐると、すぐ左手に20人くらいは座れそうな大きなリビングがあり、どうやら数人が集まって、食事をしているようだ。
リビングを見渡し、様子をうかがうと……、いた!短髪で貫禄のある顔だが、グッと眉毛が三日月形で、いつも愛嬌のある笑顔をたたえている、とても味わいのある顔……「フェイスブック」で見た顔と同じ、兄貴だ!
そして、やはり、最高気温が33度のバリ島だけに、服装は、「Tシャツ」1枚と、ジーパン。その「Tシャツ」には、「MAX」という文字がプリントされていた。兄貴、大富豪にしては、庶民派だぜ。
兄貴も一緒にいる日本人も、ソファではなく床の上にドッカリあぐらをかいて座り、長テーブルを囲んでいる。どうやら、それが、このリビングでのお決まりのスタイルらしい。
リビングの長テーブルの上には、びっくりするぐらいの量の食事が、積み上がっていた。
夕食中の兄貴は、山のように盛ってある「上海ガニ」をバキバキと手際よくバラしていた。そして、目の端で僕をとらえた瞬間、ニッと微笑みながら声をかけてくれた。
「よう来たな。待っとったでぇ~」
「まずは、バコーンとカニを食おう。完全に食おう。すべては、それからや」と兄貴に言われた僕は、挨拶もそこそこに、上海ガニを頬張ることに。
バキッ!パクパク…。
うま……。これ、完全にバカウマだ!「兄貴!すごく美味しいです!」と言いながら、僕は、ガツガツと上海ガニを食べた。しかし、食べても食べてもなくならないほど、上海ガニは、山積みされていた。
リビングにいた数人の人々は、全員、日本人で、兄貴と楽しげに会話をしながら上海ガニを食べている。僕と同じように、兄貴に会いに、日本から来た人たちだろう。
そして夕食を終え、「アカン、完~全に、腹割れそや…」と満足げにお腹をさする兄貴に、「はじめまして、メールでご連絡させていただきました、Kさんからご紹介していただいた、鈴木一郎といいます。よろしくお願いします」と言うと、兄貴は、ニッと笑って、こちらを見た。
「一郎ということは…、そやな、あだなは『いっちゃん』がええな。『いっちゃんスゴイ』みたいで、ええやんか。せやろ? ほんなら、今日からキミのことを『いっちゃん』と呼ぼう。まぁ、ざっくばらんに、なんでも聞いてや。遠慮は、なしや」
兄貴は、タバコを取り出すと、カチンッと、ジッポーライターで火をつけて、ニッと笑った。兄貴は、なんともフレンドリーに、僕の目の前にあらわれたのだ。
そして、この日から、「僕の人生が完全に変わる」ことになる。
「では、さっそく、はじめようや。で、いっちゃん。最初に聞きたいことは、なんや?」
(【第1話】「つながり・ご縁・絆」につづく)
※次回配信予定は6月25日(月)です。
【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】
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「やばいで、オレ、人生を変える、とんでもない秘密を、バラしてもうた」(byアニキ)。
本書は、99%実話の物語(ストーリー)。年収295万円、31歳ダメサラリーマンの鈴木一郎(いっちゃん)が、バリ島に住む世界レベルのウルトラ大富豪アニキに出会い、【25の教え】をこうて、人生の大逆転をはかる物語
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