オカシオ=コルテス氏
最年少の女性下院議員(29歳)となったオカシオ=コルテス氏が「現代貨幣理論(MMT)」の議論に火を付けた Photo:AP/AFLO

 米国で現代貨幣理論(MMT)が話題だ。その理由と背景を整理してみよう。

 MMTは「自国通貨を発行し、自国通貨建てで国債を発行できている国は、財政赤字を気にすることなく歳出を拡大できる。唯一の制約はインフレだ」と主張する。

 同理論は以前から米経済学界の一部で時折話題になっていた。それが急に脚光を浴びたきっかけは、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(民主党、ニューヨーク州)の年初のインタビューにある。彼女は「MMTは時間の大半を充てて議論されるべきものだ」と語った。昨年11月の選挙においてSNSで大旋風を巻き起こし最年少の女性下院議員(29歳)となった“時の人”だったため、この発言は大きな注目を浴びた。

 同議員は民主社会主義者である。国民皆保険や大学授業料の無償化、奨学金ローンの“徳政令”、グリーン・ニューディール政策(環境問題に財政資金を大規模に投入する政策)を支持している。そういった政策を実現するには歳入の確保が大問題となる。その点で彼女らにとってMMTは、画期的な“打ち出の小づち”になっている。