第一に、単純に多くの公務員を雇用し続けることができない財政状況になることです。

 人口減少や高齢化、行政課題の多様化などに伴い、自治体の財政状況は厳しくなります。財政状況が比較的良好で、高齢者の介護予防の先進的な取り組みが高く評価されている生駒市でさえ、約360億円の一般会計予算に対し、毎年約3億円の社会保障経費が増え続けます。10年で30億円、そのインパクトはすさまじいものがあります。収入の増加にできる限りの知恵を絞り、他の支出も下げていくことが不可欠ですが、人件費の削減も例外ではありません。

 第二に、AI(人工知能)やICT(情報通信技術)の普及、外部委託の増加により、職員がやるべき業務が大きく減少することです。

 定型業務などをAIが行うようになれば、適正な職員数が今と大きく変わります。今は一部の自治体で実証的な事業が始まっていますが、10年も経てば相当の自治体業務はAIやICTの活用により対応可能になっているはずです。

人材の過度な同質性をあえて乱す必要がある

 第三に、今後の急激な社会変化や市民ニーズの高度化・多様化等に対応するには、プロジェクトごとに外部から専門家を登用するほうが合理的になるからです。

 新卒で採用したプロパー職員を40年近く全員雇用し続けるのではなく、課題に応じて職員を一定割合入れ替えていく「流動的」「弾力的」な組織運営が不可欠になります。

 実際に、すでに職員採用に社会人経験枠を設けたり、年齢制限を撤廃するなど、より多様な人材を求める動きはすでに始まっています。法令で定められた仕事をミスなく遂行することが求められる時代には自治体組織の同質性が大きな武器となっていましたが、地方創生時代に新しい挑戦が求められる今、年齢に関係なく地域に付加価値をもたらすことのできる職員を抜擢したり、中途採用者などの多様な視点を組織に持ち込んだりして、過度な同質性をあえて乱しにいくことが不可欠なのです。