
小紫雅史
私は奈良県生駒市で、市長として日々取り組んでいます。株式会社モリサワと取り組んだ学校へのユニバーサルデザインフォントの導入を例に、産学官連携の現場から、課題、解決法、そして成果について解説します。

終身雇用が崩壊するからこそ、公務員は、今まで以上に地域や社会に必要とされる人材となるために経験を積み、成長しなければなりません。役所も、職員がこれからの社会変化の中で活躍できる公務員に成長できるよう、また、仮に公務員をやめても食べていくことができる人材に成長できるよう、挑戦の機会を与え、成長を促す義務と責任がこれまで以上に大きくなります。

先日、私は生駒市での体験に基づき、『10年で激変する!「公務員の未来」予想図』(学陽書房)という本を出版しました。その中で「公務員の終身雇用は確実に崩壊する」と書きました。これは大げさでもなんでもなく、少し考えてみれば当たり前のことです。

先日、私は生駒市での体験に基づき、「10年で激変する!『公務員の未来』予想図」(学陽書房)という本を出版しました。その中で一番伝えたかったことの1つが、「市民を『お客様』にしてしまう自治体に未来はない」ということです。

行政の世界では、一日も早く優秀な人材を確保したいという想いを強く感じる自治体は数えるほどしかないのが現状です。採用説明会すらしない自治体の方が多い現状では、地方創生なんて夢のまた夢です。どうして自治体の採用はこのような状態になっているのでしょうか。その理由は大きく2つです。
