一読のすすめ

 あらためて言うまでもないことだが、とりわけ哲学・思想領域においては、「結論」を知るだけでは不十分である。著者の思考プロセスを辿り、その結論が導かれた理由を理解しなければ、深い思考にはなかなか至らない。もし本書に興味を持っていただけたなら、ぜひお手にとって何度も読み返していただければ幸いだ。著者がこのような結論に至った背景がより理解できるはずである。

 なお邦訳である本書は原著Deathの縮約版であり、形而上学的な議論を扱う前半部は都合上ほとんど省略されている。魂の存在や死の本質などについての詳細な議論を知りたければ、文響社のウェブサイトで原書のchapter2~7の訳文が無料公開されているので、そちらをご参照いただきたい。

評点(5点満点)

総合4点(革新性4.0点、明瞭性4.0点、応用性4.0点)

著者情報

シェリー・ケーガン (Shelly Kegan)

 イェール大学教授。道徳哲学、規範倫理学の専門家として知られ、着任以来二十数年間開講されている「死」をテーマにしたイェール大学での講義は、常に指折りの人気コースとなっている。本書は、その講義をまとめたものであり、すでに中国、台湾、韓国など世界各国で翻訳出版され、40万部を超えるベストセラーとなっている。

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