フランスでは「船長が2人いると船は転覆する」と言われる。船長が3人も4人もいればどうなるのだろうか?欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とフランスのルノーが発表した声明はいずれも、統合計画が前触れもなくつぶれた原因はフランス政府にあると指摘しているようだ。仏政府はルノー株の15%を保有するが、出資比率に不釣り合いなほど大きな影響力を持っている。両社は交渉の席に戻る可能性もあるが、そのためには仏政府が少数株主としての地位を受け入れるか、FCAのジョン・エルカン会長が統合の代償として強力な介入を受け入れる必要がある。FCAは5日に統合提案を取り下げた。これに先立ち開かれたルノー取締役会では、仏政府が送り込んだ取締役が結論を先延ばしにしていた。