香港のデモPhoto:Reuters

 香港で9日、「逃亡犯条例」改定に抗議する大規模デモが行われた。成立すれば、当局は特定の犯罪の容疑者を香港から中国本土に送還できるようになる。

逃亡犯条例とはなにか

 香港政府は2月に引き渡し協定の改定を提案した。台湾で恋人を殺害して香港に逃亡した男の事件がきっかけだとしている。香港は台湾と引き渡し協定を締結していないため、香港も台湾も男を殺人罪の裁判にかけられずにいる。改定すれば、協定を結んでいない国・地域の要請で容疑者を引き渡せるようになる。香港は英国植民地時代のコモンローを保持しており、米国や英国、シンガポールを含む10カ国以上と引き渡し条約を締結している。

何が物議を醸しているのか

 1997年に香港が中国に返還された時、中国は少なくとも2047年までは「一国二制度」の概念に基づき、人々の自由と香港の法制度を支持すると保証した。民主化を求める2014年の「雨傘運動」が中国政府の譲歩を引き出せないまま79日間で終わって以来、当局は反対意見に一段と不寛容になっているようだ。抗議活動に関与したとして活動家を投獄し、独立を掲げる政党を禁止し、その党の創設者を講演に招いた外国人ジャーナリストを実質的に追放した。

なぜこれほど多くの市民が抗議しているのか

 市民が強い反応を示してきた逃亡犯条例により、香港にいる全ての人が中国本土の司法制度の対象となり、恣意(しい)的な拘束や拷問にさらされかねないと批判されている。