パウエル議長Photo:Reuters

――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト

***

 中央銀行の独立性は不安定な土台の上にある。米連邦準備制度理事会(FRB)の場合は特にふらついている。利下げの検討準備を進めるFRBの政策担当者らは、政治的に2つの問題に直面する。関税問題による米経済への打撃を緩和するために利下げすれば、FRBがドナルド・トランプ米大統領の貿易戦争に巻き込まれるリスクが生じる。それよりもっと悪いのは、FRBの緩和策が、公然と利下げを要求するトランプ氏に屈したように見えてしまうということだ。

 ジェローム・パウエルFRB議長はこれまでのところ、トランプ氏がFRB内の議論に影響を与えていることはないと主張し、政治的論争をうまく回避している。しかし、FRBが米政府の命令に従っていると受け止められた場合には、市場からの信頼が損なわれることをパウエル議長は知っている。市場の信頼は、FRBが持つ最も強力な武器だ。