イタリアのポピュリスト(大衆迎合主義)政権の指導者は、公共部門の納入企業などへの支払いをユーロではなく、「借用書(IOU)」で行うことを検討している。IOUでの支払いは、イタリアがユーロ圏を離脱する事態に陥った場合の「新通貨導入の出発点」になり得るとして、同国の欧州連合(EU)懐疑派が唱えていた手段だ。連立政権を形成する「同盟」と「五つ星運動」の党首は、政府の滞納金について「ミニBOT」と名付けたIOUで支払う案を協議する方針だ。BOTはイタリア国債を意味する。同盟のマッテオ・サルビーニ党首(副首相)は9日、「こうした手段を検討できる(中略)これは提案だ」とした上で、「だが、企業や家計に対する数百億ユーロもの滞納金を支払う切迫した必要性があることは、誰の目にも明らかでなければならない」と述べた。