なぜ中国は8000万人近い米国人の医療情報を盗もうとしたのか。2015年に米医療保険大手アンセムにハッキング攻撃を仕掛けたとして司法省が中国国籍の2人を起訴して以来の疑問だ。中国のハッカーは過去10年以上にわたり、武器の設計図から太陽光パネル製造の詳細まであらゆる種類の企業秘密を米企業から盗んできた。その範囲は広いが共通点がある。中国が経済・軍事面で競合国に対して優位に立つのに役立ちそうな技術データや記録だということだ。医療保険記録の窃盗はそのパターンを逸脱している。この犯罪は保険金詐欺に関連していることが多いが、ハッカーがその種の詐欺に関与していた痕跡はなく、中国政府が関与していたと考える理由もない。資金に困窮している北朝鮮でさえ、それはしていない。