ドナルド・トランプ米大統領ドナルド・トランプ米大統領 Photo:Reuters

――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト

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 ドナルド・トランプ米大統領の先週末にかけてのイラン政策は、場当たり的であり、巧みでもあった。トランプ政権の戦争への傾斜を目にしたハト派と孤立主義者らは一時パニックに陥ったが、その後、軍事攻撃が取り消されたとの発表に歓喜した。一方でタカ派はオバマ前政権風の譲歩だとしてトランプ氏を批判したが、イランへのサイバー攻撃や制裁強化の公表がその怒りを静めるのに役立った。

 その結果は何か。トランプ氏は米国のイラン政策における支配力をさらに強化した。政権内外の対立派閥は同氏の支持を得る策を練らざるを得なくなったのだ。そして、トランプ氏がイランについて発言やツイートを重ねれば重ねるほど、同氏の真意はより分かりにくくなる。

 こうした展開に意外感はない。対中貿易やメキシコ経由の移民の問題、ベネズエラや北朝鮮、そして現在のイラン問題に至るまで、一貫性がない対応は一貫しているからだ。つまりトランプ氏は、どの歴代大統領よりタカ派的な時もあれば、ランド・ポール上院議員を興奮させるほどにハト派的な時もあるのだ。