フェイスブックは暗号通貨ベースのネットワークで金融システムを革新するという壮大な計画を持つ。だがまずは、人々に使ってもらわなければならない。フェイスブックの仮想通貨「Libra(リブラ)」を巡る計画は、ビットコインの基盤技術に消費者を慣れさせるための、これまでになく野心的な取り組みとなる。リブラの発行へ向け、決済ネットワーク大手の米ビザやマスターカード、ペイパル・ホールディングス、ウーバー・テクノロジーズなど二十数社が提携している。フェイスブックの最終的な目標は、消費者が日々の金融取引の中でとりわけ支払いや買い物、海外の家族への仕送りにリブラを使うようになることだ。フェイスブックは極めて広く定着しているため、すでに優位な立ち位置にある。世界の人口の約3分の1が毎月、同社のサイトを訪れる。ただし、こうした人々に習慣を変えて真新しいテクノロジーを受け入れるよう説得するのは至難の業だ。同社はリブラ利用者のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)データと金融情報を分離するとしているが、プライバシーを巡る懸念も新たな通貨の普及を妨げかねない。
フェイスブック仮想通貨、「世界を変える」鍵とは
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