英国のある政治家はかつてこう言った。政治家には奥地、つまり人生に内面的な奥行きと幅を与える文化的あるいは芸術的な趣味や関心が必要だ。深みのない政治生活を送る人間を信頼してはならない。彼らは退屈で危険だ――。先週、英国の保守党党首と首相の最有力候補であるボリス・ジョンソン氏の内面が盛んに報じられ、われわれは彼の奥地についてかなり多くを知った。ジョンソン氏は危険な人間かもしれないが、退屈でないことは確かだ。まず分かったことは、ジョンソン氏のどこまでも現代的な家庭――妻とは関係が悪化し、現在は自分の年齢の半分ほどの女性とロンドン南部のマンションで暮らしている――は大衆小説家なら波乱に満ちているとでも表現しそうな状態にあることだ。ジョンソン氏は保守党党首選で下院議員による投票を勝ち抜き、7月に行われる一般党員による決選投票への進出を決めた当日、交際相手のキャリー・シモンズさんとちょっとした口論になった。