(3)後見人交代ルールを整備せよ

 現行の成年後見制度にあっても、また、サービスと報酬が競争的に選別されるべき将来の制度にあっても、家族や相続人が後見人や監督人に不満を感じた場合に、この交代を可能にする制度がぜひ必要だ。

 交代の可能性がないと、サービスも報酬も競争的に決まりにくかろう。また、後見人が関係者の満足感・納得感を意識することはいいことだろう。

 被後見人と同居して被後見人を世話している人物が交代請求権を持つのが普通であるように思うが、後の相続における利害が問題になるケースもあるので、法定相続権ベースで過半のウェイトを持つ1人、ないし複数の相続人の同意で後見人の交代が請求できるようにするのがいいかもしれない。

 後者は、相続人があたかも被後見人の株主であるかのような立場になるので、人情的に少々抵抗感があるかもしれないが、相続がしばしば揉めることを考慮すると、後見の段階から相続人間の利害を考えることは現実的だろう。

 上記の3点を実現するために、法令の改正が必要なのか、制度運用の変更だけで可能なのか、筆者には詳しいところは分からないが、関係者の工夫に期待したい。成年後見制度が、多くの人にとって安心感と納得感をもって利用できる制度となって、広く普及して、高齢者の財産管理に貢献することを願っている。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)