2012年6月30日、日本でレバ刺しが“絶滅”する。今月12日に厚生労働省の薬事・食品生成審議会の分科会が、7月1日から牛の生レバーの飲食店での提供・販売を禁止することを正式に決定。食品衛生法で定めるこの新たな規格に違反した飲食店などには、「2年以下の懲役か200万円以下の罰金」を科すことができるようになる。

死者5名を出した「焼肉えびすユッケ集団食中毒事件」から早1年。生肉に対する警戒感が薄れた今、この行政による法規制に対して「やむなし」という意見も少なくない。しかしその一方で、むしろ食中毒の危険性が高まるのではないか、という疑問の声も聞こえてきた。(ダイヤモンド・オンライン 林恭子)

3時間待ちも当たり前!?
“レバ刺し絶滅”を惜しむ人々

押上にある居酒屋「まるい」。6月末までレバ刺しを提供している数少ない店として、雨にもかかわらず、開店前から多くの人が列をなす。

 スカイツリー開業に沸く墨田区・押上。駅から5分ほど歩いた下町情緒が残る静かな住宅街の一角に、ツリーに負けず劣らずのにぎわいを見せる店がある。それが、地元で知らない人はいないという居酒屋「まるい」だ。実はこの店、7月1日から禁止になる「レバ刺し」を6月末まで提供している。

 6月中旬の週末、開店時間の午後4時を目がけて3時頃店に赴いたが、すでに17人が並ぶ。店主が見るに見かねて30分早く店を開けてくれたものの、記者が店内へと入れたのはなんと並び始めてから3時間後の午後6時だった。

「6月中は平日でも予約でいっぱい。平日の開店時間は5時だけど、こないだは1時から並ぶお客さんがいたよ」(まるい店主)

 昨年7月、厚労省が飲食店での提供自粛を要請していたこともあり、すでに自主規制する店が少なくないレバ刺し。そうしたなか、この店では安くて安心・安全なおいしいレバ刺しが食べられるということで、連日大行列だ。これほどまでに“絶滅”を惜しむファンが多いにもかかわらず、なぜ牛生レバーは提供禁止に至ったのだろうか。