「お前ら、連帯責任で全員クビにするからな」――。反社会的勢力から金銭を受け取った所属芸人に対し、こんな反社も真っ青なセリフを言い放ったのは、吉本興業の岡本昭彦社長だ。記者会見で釈明に追われたが、芸能事務所に対して不利な立場に置かれた芸人たちへの同情と擁護の声は根強い。圧倒的な力関係の元に反発を抑え込む手法に社会のメスが入りつつある。 (ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
「全員クビ」発言は「身内の感覚」と主張
世間の批判など歯牙にもかけなかった業界の“王者”とも言える大企業が、失墜する様をまざまざと見せつけた。
吉本興業所属のお笑い芸人である宮迫博之さん、田村亮さんらが、特殊詐欺の犯行グループのイベントに出席し、金銭を受け取った問題。芸人たちに「記者会見をするなら勝手にやれ。連帯責任で全員クビにする」と告げたと暴露された同社の岡本昭彦社長が22日、都内で記者会見した。
この発言に対する岡本社長の釈明は、「父親が息子に『勘当だ』と言うような身内の感覚だった」という全く支離滅裂なものだった。