この点について、ちょっと興味深い発言が聞かれたのはデトロイトショーだ。

 CESに押されて6月に開催されることになったのだが、夏開催となると、サマーフェスタのような演出が可能になる。ちょっと早いバカンスのアテとして来てくれる人もいるのではないかというのである。

 ローカルショーを見ると、例えば日本の改造車祭りである東京オートサロンが人気を博すなど、フェス化で人気を獲得している自動車イベントは結構ある。アメリカは世界の中でも突出してショービズを得意とする国ゆえ、何か面白いものを目にすることができるのではないかと期待したくなるところだ。

再興させる道は
1つしかない

 フェス化以外で国際モーターショーを再興させる道は、もう1つしかないだろう。

 自動車メーカーが産業の頂点意識をキッパリと捨て、情報通信プラットフォーマーなど他業界のプレーヤーを「三顧の礼」で招き、来場者が本当にすごい、楽しい、自分も体験したいと思うようなコンテンツを作ることだ。

 だが、これは自動車メーカーが昨今打ち出しているCASEの“新機軸”を見る限り、非常に難しいと言わざるを得ない。まず、国を問わず自動車メーカーにはコンテンツを考える才能が希薄だ。

 ドイツのダイムラーは今年3月、完全自動運転の時代を見据え、車内のインフォテインメントシステム上でのゲームコンテンツのコンテストを行うと発表した。移動の時間、運転をしなくなることで生じる手持ち無沙汰を解消するための方策なのだろうが、これは噴飯ものだ。

 移動中、ウインドーには二度と同じものは映らないライブの情景が次々に現れては消える。そっちのほうに目線をやらず、車内でゲームをして過ごすのが移動の未来像だというのなら、今まで散々語ってきた「移動の歓び」とは一体何だったのか。

 車内のボイスコマンドにしても、発想力貧困というか、諸君はそれでいいのか?と思うようなものばかりだ。

 まず「ヘイ○○」「OK○○」みたいな呼びかけが、GoogleやAmazon、アップルなどのパクリそのもの。また、とある自動車メーカーがボイスコマンドによる検索のデモ映像を製作していたが、蕎麦屋を探しているのにそこに有名うどんチェーンの名前が混載されていた。