岡本昭彦・吉本興業社長の「テープ回してないやろな」発言は、それを会見で暴露した宮迫博之さんの「言い方」が芝居がかっていて脅しっぽく聞こえるだけ、として、わざわざ宮迫さんの絞り出すような言い方のモノマネを披露したのだ。要するに、宮迫さんの「熱演」で世論がミスリードされたというわけだ。

 このモノマネを受けてスタジオは笑いで包まれ、「いやあ、ファーストインプレッションって恐いですね」なんてまとめられていたが、筆者はちっとも笑えなかった。むしろ、そこまでして「吉本=被害者」と印象操作するほど、テレビ局は「吉本ファースト」なのかと、背筋に冷たいものさえ感じた。

 と言うと、「この問題は嘘をついた宮迫が悪い、それ以上でもそれ以下でもない!」といきり立つ方も多いが、この問題はもはや、そういう「個人の吊るし上げ」でシャンシャンと済ませられるレベルを超えている。

吉本自身の反社会勢力との
関わりを「反省」で済ませていいのか?

 まず、自己保身のために嘘をつくとか、取っ払い(事務所を通さない)ギャラを適正に申告しないとかも確かに罪深いのだが、吉本側も負けず劣らずの「違法行為」の可能性が浮上している。例えば、元東京地検特捜部の郷原信郎弁護士は、「口約束契約」と、そこに紐づくギャラの不透明さが、「下請法違反」にあたる可能性があると指摘している。

 吉本の株主は、国から特権的立場を与えられている放送局。また、吉本自身も沖縄映画祭や大阪万博、大阪市との共同事業など、税金を投入したプロジェクトに複数関わっている。したがって、「政治などの問題に比べて大騒ぎするような話じゃないから放っておけ」で片付けられるような話ではないのだ。

 また、「謝罪会見したら連帯責任でクビ」発言も、父が息子を叱るような”家族のノリ”だと岡本社長は主張しているが、「優越的地位」を用いて口封じをさせた疑念も拭えない。

 宮迫さんは、入江慎也さんから問題の反社会勢力のフロント企業への「直営業」を持ちかけられた際、吉本のイベントのスポンサーだから大丈夫だと言われた、と会見で明かした。これについて、岡本社長は自社主催ではないとしながらも、以下のように述べている。