米議会でのロバート・モラー元特別検察官の証言について、ワシントンでドナルド・トランプ大統領よりも喜んでいるのはナンシー・ペロシ下院議長だけだ。弾劾手続きを訴えていた一派は今回の公聴会について、ペロシ氏の反対にもかかわらず新たな世論の支持を掘り起こすと期待していたが、むしろ最後のあがきだったようだ。  モラー氏は下院司法委員会と情報委員会で長時間にわたり証言したが、新しい材料はほとんど提供しなかった。民主党は司法妨害やロシアとの共謀といった言葉をモラー氏の口から引き出そうと必死だったが、同氏は448ページに及ぶ調査報告書に目を通すように言って譲らなかった。