昨年12月、株価は下落し、信用市場は混乱し、インフレ期待は低下していた。それにもかかわらず米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げに踏み切り、バランスシートの縮小は「自動操縦」に任せることを示唆した。市場の一層の混乱を受けて、FRBは間もなく判断ミスを認めた。今週の米国の株式相場は過去最高水準にあり、クレジットリスク・プレミアムは低水準にとどまっている。第2四半期のインフレ率は、若干の上昇の兆しを示している。それでもFRB当局者らは、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)かそれ以上引き下げることを示唆している。こうした金融政策判断の一貫性のなさに戸惑う人がいるかもしれないが、それはFRBも同様だ。FRB自体が混乱しているように見える。FOMC参加者たちは、ブラックアウト期間(公的発言を自粛する期間)を控えた2週間前、相反する意見や理由付けを公の場で騒々しいほどに語っていた。入手可能な証拠から判断すると、FRBは性急に政策をまとめようとしている。
【社説】FRBの矛盾した論理
第2四半期のGDP統計は利下げの根拠を示していない
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