問われる政策の整合性
追い風は2つの潮流

 ただ、れいわにしてもN国にしても、主張や政策があまりにもいいとこ取りなので、いつかは壁に直面する局面がくるはずだ。

 今後も注目が集まり続け、例えば、政権政党の一翼を担う可能性や、山本代表を、かつての反自民連立政権の細川首相のような候補にしようとする声が大きくなれば、政策全体の整合性をきちんと検証しようとする試みがなされるようになり、ネットを中心としたイメージ戦略だけでは乗り切れなくなるだろう。

 TPP協定、PFI法、水道法、カジノ法、入管法、特定秘密保護法、国家戦略特別区域法、派遣法、安全保障関連法、テロ等準備罪……を「トンデモ法」と呼んで、「一括見直し・廃止する」、と大ざっぱに言い切っているが、それに代わるどういうビジョンがあるのかは、語られていない。

 選挙戦では、こうした個別問題に突っ込みすぎると、従来のリベラル・左派との違いが見えにくくなるという戦略的判断があったのかもしれないが、政治を担う主流になろうとすれば、避けられない課題だ。

 きちんと理論武装できていなければ、勢いを失い、目玉である消費税廃止や財政政策に関して、結局は、立憲民主党などとの間での政策調整が図られ、輝きを失い、普通の野党にならざるを得ないかもしれない。

 ただ、いまのところ、れいわに味方しそうな、国際的な政治・経済思想の潮流が2つある。

 1つは、消費税増税反対のリフレ論者たちを中心に支持が広がっているアメリカのMMT(現代貨幣理論)と、れいわの政策の類似性だ。

 MMTというのは、貨幣の本質は政府による信用創出であり、貨幣発行権限を独占する政府は、自国通貨建ての国債であれば、景気悪化やハイパーインフレを恐れることなく、原則無制限に発行できるはずなので、積極的な財政政策によって完全雇用を目指すべきとする理論だ。

 たとえインフレ傾向が強まっても、増税や新たな債券発行で民間部門から余剰な貨幣を引き上げることで、制御できるという。

 この主張を掲げる政治家では、民主的社会主義者を自称し、単一支払者制度による国民皆保険、公立大学の無償化、連邦政府による雇用保証などを掲げて、民主党の大統領選レースに名乗りを挙げているサンダース上院議員やその弟子ともいえるオカシオ=コルテス下院議員らが有名だ。

 サンダース氏らは、MMT第一人者であるステファニー・ケルトンニューヨーク州立大学教授の助言を受けて、自らの政策構想に取り込んでいる。

 インフレ目標2%に達するまでは、国債を発行し続けることができるとする、れいわの財政政策は、これに対応しているよう見える。