第199臨時国会が召集され、初登院する「NHKから国民を守る党」の立花孝志参院議員第199臨時国会が召集され、初登院する「NHKから国民を守る党」の立花孝志参院議員=1日、国会前 Photo:JIJI

今回の参院選で1議席を獲得して話題となった「NHKから国民を守る党」、通称N国党の立花孝志代表は、元みんなの党代表で無所属の渡辺喜美参院議員とともに、参院で統一会派「みんなの党」を結成した。彼らはどういう政策を行うつもりなのだろう。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

「NHKから国民を守る党」が
成功した作戦

「NHKから国民を守る党」、通称N国党、これまでも「NHKをぶっ壊す!」をスローガンに、国政選挙、地方選挙と候補者を立て、最近では地方選挙で首都圏を中心に29もの議席を獲得、ついに先の参院選において比例区で98万7885票を得て参議院に1議席を獲得するに至った。

「なぜこの党が?」といった疑問の声も聞こえるが、良くも悪くも立花孝志代表をはじめ、N国党関係者の地道な活動の結果と、それに基づいて練られた作戦の結果であることは間違いない(今回の参院選の政見放送、N国党のものは、今や港区議となったマック赤坂氏にならったのか、お笑いの域に達するような内容だったが、それが功を奏したのかYouTubeで拡散され、相当再生されていたようである)。

 その作戦とは、選挙区、特に候補者数の少ない選挙区に公認候補をできる限り立てて、選挙区での得票率で2%以上を確保しようというもの。

 政党助成法によれば、政党交付金の交付の対象となる政党は、(1)国会議員5人以上を有する政治団体、(2)国会議員を有し、かつ、前回の衆議院議員総選挙の小選挙区選挙若しくは比例代表選挙又は前回若しくは前々回の参議院議員通常選挙の選挙区選挙若しくは比例代表選挙で得票率が2%以上の政治団体、のいずれかに該当するものとされている。

 今回の選挙では比例区での得票率は1.97%と2%にわずかに届かなかったものの、全国を通じた選挙区での得票率は3.02%となり、作戦は見事に成功したわけである。その結果、政党助成法に基づく政党要件が獲得でき、政党交付金の交付を受けることができるようになった。