LGBTX座談会(上) 私たちは特別な存在ではない」の続編をお送りする。LGBTとは、レズビアン(女性に惹かれる女性)、ゲイ(男性に惹かれる男性)、バイ・セクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(性同一性障害を含む、当初の性と別の性を生きたい人、または生きている人)の頭文字を取った総称であり、セクシャル・マイノリティ(性的少数者)を指す。個々人のセクシャリティは、①身体の性、②心の性、③好きになる性の組み合わせでできているので、実際には多様性がある――。LGBTの人たちは、じつは人口の約5%はいるとされる。

「週刊ダイヤモンド」7月14日号の第2特集(市場規模5兆7000億円/「LGBT市場」を攻略せよ!)との共同企画として、それぞれ異なるセクシャリティを持つ当事者に集まっていただき、LGBTであること明かして生きる道を選んだ方々の“生の声”を聞かせてもらった。(「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨仁、ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

ネガティブな感情的反発は
「知らないこと」から来る

Photo by Shinichi Yokoyama

――では、企業において、LGBTの当事者に対して、ストレート(異性愛者)の人は、どのようなコミュニケーションを取ったらよいでしょうか。たとえば、部下との距離をもう少し縮めたいと考えている善意の上司や、「LGBTではないか?」と社内で噂される部下のことを親身になって考えてあげたいと思うような上司は、当事者にダイレクトに聞いてもよいものでしょうか。

ひろこさん:それはケース・バイ・ケースだと思います。LGBTの人たちは、会社でバレることに対してものすごく恐怖心を持っています。ストレートの人が「よかれ」と思って言ってくれても、「この人はどういうつもりで言っているのだろう?」と構えてしまいます。

 というのも、セクシャリティの話はとかくセックスの話と結び付けられてしまいがちで、一生懸命説明しても結局はそう見られてしまうということが多いことから、これまで何度も悲しい思いをしました。

 ですから、その上司との関係性にもよるので、一概に言えませんが、たとえば「この人なら話せる」という雰囲気を少しずつ出してあげることが大事なのではないかと思います。いきなりセクシャリティの話を持ち出すのではなく、さりげなくLGBTフレンドリーさをアピールするのです。

 海外の調査では、LGBTは約30人に1人は存在すると言われています。となると、同じ職場の中にいても当然という計算になります。大企業でしたら、数十人の単位でいてもおかしくないでしょう。

 自分の経験から言えば、「いきなり聞く」のではなく、「まずは受け入れ態勢を整えてあげる」ほうが、だんだんと互いに歩み寄れるようになると思います。たとえば、「最近調子はどう?」「悩みがあったらなんでも聞くからね」と声をかけて、少しずつです。職場ということで言えば、もうちょっと慎重であってほしいです。

西川麻実さん:LGBTの側でも、話を聞いてほしい人には、そういうオーラというか、サインを出していると思います。たとえば、「彼氏はいますか?」と問われれば、誇らしげに「恋人はいます」と返事をする、けっしてスカートを履かない女性にはそのチョイスをさりげなく指摘してあげるなど、こちらが「よくぞ気付いてくれた!」と意気に感じるようなことです。

溝口哲也さん:それはまた、ハードルが高い(笑)。