説明してもらい、由未子さんはちょっとほっとした。というのも、目を開け続けられないことはとてもつらいのに、周囲からはその大変さがわかってもらえないように感じていたからだ。病院で、異常はない、大したことないと言われるのも納得がいかなかった。

「それで先生、どうしたら治るのでしょう」

 尋ねると、医師は意外なことを聞いてきた。

「そうですね、原因が脳の誤作動にあるため、直接治療して完全に回復させることは難しいんですけどね。やっぱり、これだけ症状があるとつらいですよね、夜はちゃんと眠れていますか」

発症の原因は
思わぬ薬剤の副作用だった

「え、眠れています、というか、心療内科の睡眠外来でお薬をいただいています」

「睡眠導入剤ですか、なんというお薬でしょう、いつ頃から服用されていますか」

「デパスというお薬です。私もともと眠りが浅くて。40歳になったときに、今後の健康を考えて睡眠を改善しようと思いまして睡眠外来を受診したところ、処方していただきました。もう半年ぐらい飲んでいます」

 医師は納得したようにうなずいて言った。

「眼瞼けいれんの原因は、その薬かもしれません。デパスの副作用にも、眼瞼けいれんが起こる場合があると記載されています。可能であれば、その薬を服用するのは、今夜はどうしても眠りたいというときだけにしてみていただけませんか」

 医師の言葉に従い、由未子さんはすぐにデパスの服用を止めた。躊躇(ちゅうちょ)はなかった。というのも、自分にはあまり合う薬ではないと感じていたからだ。