「オンリーワン」宣言は
経営者の甘えである
小宮コンサルタンツ代表
「ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指す」――経営者が口にしがちなその言葉は、根本的な考え方によっては、実は褒められたものではありません。
オンリーワンには「良いオンリーワン」と「悪いオンリーワン」があるのです。
良いオンリーワンは、お客さまが求める商品やサービスを提供し、多くのライバル企業とナンバーワンの座を争う競争の中で切磋琢磨して勝ち、お客さまに「この会社しかない」と評価してもらうことです。このように、競争の中でお客さまから見てオンリーワンの存在になることはもちろん、悪いことではありません。
しかし、能力が低い経営者が口にする「オンリーワン」とは、ライバル企業との競争から逃れたいだけで、ナンバーワンの存在になることを諦めただけの状態であることが往々にしてあります。業績や将来がパッとしないことに目を背け、お客さまではなく自社にとって都合が良く、何だか聞こえがいい「オンリーワン」の状態になりたい、つまり、ライバルのいない状態になりたいと考えることです。