中国財界で馬雲(ジャック・マー)氏のような人物は他にはいない。そして、馬氏のような人物が次に登場するまでには、長い月日を要するかもしれない。中国の大富豪である馬氏は10日、自身の55歳の誕生日にアリババグループ会長を退く。馬氏は20年前、中国南部・杭州のアパートでアリババを共同で創業。それ以降、アリババは時価総額5000億ドル(約53兆6000億円)近い企業にまで成長した。かつて英語教師だった馬氏は、人生の第三幕として、再び教育分野に戻り、とりわけ慈善活動に専念したいと考えている。馬氏は長年にわたり、最も著名なビジネスリーダーとしてカリスマ的な存在感を発揮してきた。同氏の引退により、中国財界のトップには当面、空白が生じそうだ。馬氏はその過激な発言で、中国国内外の注目を集めてきた。今年開催されたアリババ社員の合同年次結婚式では、新郎新婦に対し週72時間の長時間労働だけでなく、自由時間に子作りに励むよう促した。