文在寅大統領と曺国法務部長官
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曺氏の任命は
危険と背中合わせ

 9日、文在寅大統領は、曺国(チョ・グク)氏を法務部長官に任命した。一時曺氏の任命に対する反対が56%に達したが、文政権は、曺氏のスキャンダルから国民の目をそらすため、GSOMIA破棄をはじめ、あらゆる努力を重ね、不支持を51%にまで引き下げた。任命直前には、曺氏夫人が在宅起訴され、曺氏一家が出資した投資ファンドの代表他1名に逮捕状が請求されたにもかかわらず、文氏は任命を強行した。

 この任命は文大統領にとっては一つの賭けである。任命した後、万が一曺国氏が逮捕されるような事態になれば、多くの反対を押し切り、強引に曺氏を任命した文在寅政権に対するダメージはこれまでで最も大きなものとなるだろう。しかし、これまで既に強引に国政を遂行し、反対派を力で押さえつけてきた文在寅氏がここで妥協をすれば、これまで仕方なく文大統領に従ってきた人々が離れかねない。また、文大統領を強力に支持してきた人々の失望を買うことになれば、強力な支持基盤を失いかねない。このため、文大統領は支持率が急落するリスクを覚悟の上で曺氏を任命したのだろう。

 曺氏任命によって、「政権与党vs野党」の対決モードは決定的になった。どちらかが倒れなければ、この対決は収拾しないだろう。

 曺国法務部長官の任命式は異例づくしであった。通常、新任閣僚の任命式には夫人が同席するのが通常だが、曺夫人は在宅起訴中ということもあり、任命式に参加できなかった。文大統領は任命式の挨拶で、「共に権力機関の改革で成果を上げた曺氏に、その締めくくりを任せたい」「本人が責任を取るべき明白な違法行為は確認されていない」と強調した。大統領が任命式でこのような挨拶をすることも過去に例を見ない。それだけ、曺国法務部長官の任命は異例であった。

 曺国氏の法務部長官任命の当日、韓国最大のポータルサイトのネイバーには「文在寅弾劾」というキーワードが上位を占め、韓国の主要新聞も一斉に文大統領の独善を非難する社説を掲載した。

 一部では、曺国氏の法務部長官任命反対デモも発生したが、現時点で、曺国氏は法務部長官としての仕事を開始した。そして、直ちに反撃に打って出ている。