ファミマ、ローソンには存在しない
まとめ買いすると余計にかかる“セブン税”

 秋からの新たな商品戦略で再起を図りたいセブンだが、10月からは消費増税という試練が待ち受ける。軽減税率など予想されるトラブルに小売業界が対応に追われるなか、セブンの店頭では思わぬ形ですでに混乱が発生している。消費増税の対応を見据えてシステムを刷新したことで、客の支払額が増えるというトラブルが起きているのだ。

 具体的には、これまでは税抜き1個93円のコーヒーを3個買った場合、商品ごとに8%の消費税を適用し、商品の税込価格100円を足していって300円という総額を計算していた。ところが、システム刷新後は、税抜き93円の商品3個の総額279円に消費税率をかける方式に変更されたため、税込みで301円となり、支払額が1円増える。

 ファミマ、ローソンでは1個ごとにかかる1円未満を切り捨てた後の消費税額を加算するので、セブンで生じるような1円の負担はない。まさに、セブンでまとめ買いした時にだけかかる“セブン税”だ。あるセブンの現役オーナーは「運動会などのイベントでおにぎりや飲料をまとめ買いするお客様からは確実に敬遠される。なんでうちだけがそうなるのか」とぼやく。

 さらにこのオーナーによると、商品の値下げ、いわゆる「見切り販売」をする際にも問題が生じるという。例えば、ある商品を税込みで30円引きとする場合、税抜き価格で28円引きと店のコンピューターに登録し、商品には「30円引き」のシールを貼る。

 すると、税込み価格で30円引きになっていても、客に渡すレシートには税抜き価格の記載部分に「-28円」と表記されるので、誤解により苦情を言われるのだという。本部がそもそも見切り販売を想定していないことも一因といえそうだ。

 消費増税によって消費の冷え込みを懸念する声は強いが、高橋本部長は「増税対策は一切考えていない。(セブンの商品に)求められるニーズは価値だ。価格競争に巻き込まれるつもりは一切ない」と強気の姿勢を貫く。

 だが商品力とは全く無関係に、税額計算の仕組みが原因で消費者に余計な負担や混乱をもたらすとなれば、実に本末転倒である。あるコンビニ業界関係者は「なぜセブンだけがこうも失策を続けるのか」と首をかしげるばかりだ。