岡田 悟
#5
若手時代はモーレツ営業に鍛えられたが、現在は“癒やし系”営業で部下を育てるよう求められるのが、証券業界のガリバー、野村證券の就職氷河期世代だ。採用人数が絞られた世代だが、特に個人営業部門の役員では1995(平成7)年入社組を中心とした氷河期世代が多くを占める。とはいえその“色分け”は一様ではなく、現トップの思惑が見え隠れしている。

#6
野村や三菱が投資信託の信託報酬を巡って引き下げ競争を繰り広げる中、大和アセットマネジメント(AM)は距離を置く。大和AMが新NISAの成長投資枠を念頭に、よりリターンの狙える商品を推奨する理由を、同社の小松幹太社長に聞いた。

#4
ノーロードインデックス投資信託で7月、業界最低水準の信託報酬率の商品を投入したライバルの野村アセットマネジメントに、即座に追随した三菱UFJアセットマネジメント(MUAM)。今後さらに引き下げ競争が進むのか?再び追い抜かれた場合の対応は?“格安王者”MUAMの横川直社長に今後の方針を聞いた。

#3
新NISAの口座獲得に向けた争奪戦で鼻息が荒い、地方銀行。現在のNISA口座獲得キャンペーンでも大枚をはたく。彼らの真の狙いはどこにあるのだろうか。

#2
7月につみたてNISA向けインデックス投資信託として「はじめてのNISA」シリーズを投入、世界株投信の信託報酬が0.05775%という業界最低水準の商品を設定した野村アセットマネジメント。三菱UFJアセットマネジメントが即座に追随したが、先手を打って“三菱超え”の料率を設定した狙いは何か。今後さらに対抗する考えがあるのか、小池広靖社長を直撃した。

#1
ノーロードインデックス投資信託の雄である三菱UFJアセットマネジメント(MUAM)に対し、国内運用業界最大手の野村アセットマネジメント(AM)が7月、業界最低の信託報酬で挑んだが、MUAMは即座に追随。野村AMは再値下げを否定するが、MUAMはさらなる値下げは可能との見解を示す。ニッセイアセットマネジメントは米国株投信で追随した。新NISA(少額投資非課税制度)の投資家獲得を目指す運用業界の仁義なき競争を追う。

株式売買手数料無料化に追随できず、暗号資産などネット証券以外もジリ貧だったマネックスグループにとって、ドコモが払い込むお金の使い道が問われる状況だが、不安が漂う。

#12
ただでさえ人手不足の建設技術者やタクシー運転手らに、インボイス制度による負担増が襲い掛かる。正当な価格転嫁ができればいいが、発注者側も苦しい業界はどうなるのだろうか。

#9
複雑なインボイス制度を導入する目的は。メリットは一体何なのか。事業者の対応はドタバタが避けられないが、税務調査の現場での判断基準とは何か――。国税庁の責任者を直撃した。

#8
課税・非課税取引が混在する賃貸不動産を巡る取引。制度の周知が進まない中、オーナーとテナントの間に入る管理会社の社員が混乱に見舞われることになりそうだ。

#5
インボイスを発行してくれない取引先。自身の負担は増える。値下げを要請すれば、場合によっては独占禁止法違反で問題となりかねないが、その線引きはあいまいだ。

金融庁は長期投資に向かないとして、毎月分配型の投資信託を新しい少額投資非課税制度(NISA)の対象外とした。だが、運用会社側には奥の手があった。新NISA向けとして「隔月分配型」の商品を40本提示。デメリットは毎月分配型と基本的に変わらないが、同じ投信で奇数月と偶数月にそれぞれ分配するタイプまで登場。ルールの虚を突く動きに金融庁はなんと回答するのか。

主要行で公的資金の返済が終わっていないSBI新生銀行。SBIホールディングスと政府が繰り出した荒業には、新生銀の特別委員会からも反対意見が出た。少数株主の利益を顧みないとの批判が広がっている。

みずほ証券は昨年11月、楽天証券に約800億円を出資。一方で、楽天グループとはライバル関係にあるソフトバンクグループのPayPay証券にも出資している。“二兎(にと)を追う”戦略に勝ち筋はあるのか。また、5月に表明した米投資銀行買収の狙いは何か。同社の浜本吉郎社長に聞いた。

LINEが証券ビジネスから撤退する。スマートフォン専業のLINE証券は、証券口座を野村證券に移管し、FXに特化する方針だ。証券最大手と国民的コミュニケーションアプリがタッグを組んで始めた新しいスタイルのインターネット証券ビジネスには、ネット証券業界では“常識”のある要素が欠けていた。

#10
上場企業のPBR(株価純資産倍率)1倍割れが注目される中、大手証券2社が1倍を大きく割り込んでいる。しかも、泣く子も黙る業界最大手が2番手を下回っている状況だ。一体なぜか。

米証券取引委員会(SEC)がバイナンスなど仮想通貨取引業者を敵視し、全面対決の様相を帯びている。日本の仮想通貨交換業も無縁ではいられず、コインチェックを傘下に持つマネックスグループの成長戦略も風前のともしびだ。祖業のインターネット証券にも暗雲が立ち込める中、創業者の松本大氏は経営からフェードアウトし始めた。

全国地方銀行協会の会長行である千葉銀行と武蔵野銀行、千葉銀子会社のちばぎん証券の3社に対し、証券取引等監視委員会は仕組み債の販売で問題があったとして、金融庁に処分を勧告した。投資経験がない顧客に仕組み債を買わせたり、銀行員が顧客を直接勧誘するなどルール違反が横行していたが、銀行経営陣は実態を把握していないなど目を覆うほどのずさんさだった。問題はどこまで広がるのだろうか。

#13
株主総会の“お土産”は廃止されつつあるが、株主優待は依然として充実している。保有期間が条件になっているケースもあるが、6月に権利が確定する大手外食や食品メーカーも複数あるので、ぜひ前向きに検討したい。

#12
新興企業の「小ささ」「少なさ」が指摘される日本経済。岸田政権はスタートアップ支援をうたうが、日本でIPO(新規株式公開)するベンチャー企業が巨大化することはまれだ。資金の出し手が少ないといった構造要因だけではない。上場直後の株価をかく乱する、ネット証券や投資家がつくり出した“もうけのカラクリ”を明らかにする。
