ドナルド・トランプ米大統領は、米国の関税が中国経済に打撃を与え、数百万人の中国労働者を失業に追い込んでおり、これが習近平国家主席に貿易合意を強いる圧力になっていると主張している。しかし、実態はより複雑だ。確かに、数十年に及ぶ急成長を続けてきた中国は今、成長ペースの鈍化や、企業と消費者の景況感悪化に直面している。同国の公式統計による8月の都市部失業率は、過去最悪に近い数値となった。ただ、こうした状況をもたらした主な要因は、中国自身の変化だ。過去10年間で同国経済は、製造業と輸出に依存した状態から、サービスと国内消費が成長の柱としての重要性を増す状態へと変化してきた。中国を注視する欧米のエコノミストらは、中国経済は比較的堅調であり、労働市場は総じて安定していると分析している。少なくとも今のところはそうだ。
中国労働市場の変化、貿易戦争のせいにあらず
エコノミストらは中国経済が比較的堅調であり、労働市場も総じて安定していると分析
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