自分(あるいは自分たちのチーム)に失敗の原因があるというシミュレーションによって、先回りして自分のウイークポイントに対処する。リスクを見つけ出す作業でもある。このとき、自分のことだからと手ぬるい気持ちでかからず、視点を変えて、競争相手や、妨害者になったつもりで意地悪に徹するのが大事だ。

 また、期日までに作業を完了させるというミッションでも自己分析は必要だ。「作業分担上のボトルネックになる工程はどこか」、「上司のチェックや決裁で遅れが出ないか」、「うまくいかない場合のプランBが必要ではないか」などと問いかけ、スケジュール上の無理をとことんあぶり出し、ありとあらゆる「失敗する理由」を排除していく。

 このように、自己の内部にある失敗のリスクをあらかじめ検知することによって、そのリスクを低減できる可能性を高めるのである。

一点突破の“一点”をより尖らせるためには

 戦略の効果を高めるために、一点を正確に捉える「精度」にこだわること。それがミッション達成を確実にする。しかし、戦略を定めて一点突破を目指したはいいが、その一点が正しくミッションクリアに向かっていないと、結果的に遠回りになってしまう。そのためにも、実績データを常に監視して、戦略が効果をあげているかを確認し、必要であれば「一点」のポイントを修正する必要がある。

 この精度を高める取り組みは、多くの場合、トライ&エラーを繰り返す地道な作業だ。『ヒルナンデス!』の例で言えば、実際にF1・F2が反応をしているかどうか常に監視し、修正していく作業を行った。視聴習慣がない新番組がライバルから視聴率を奪うには、ザッピングの流れを止められるかどうかにかかっている。たとえ、他局の番組を見る習慣がある視聴者でも、CMの間や、何か見たくないと感じた瞬間があればザッピングをスタートさせることがある。チャンネルを順に替えていきながら、この番組はなんだろう、面白そうかつまらなそうかを瞬間的に判断するのだ。

 その判断基準で重要なのは、映っている映像(出演者、何をやっているか、場所、モノ、色あい、セットの雰囲気など)と、サイドスーパーだ。サイドスーパーとは、画面の中心以外に表示されたままになっている11~15文字ほどの文字情報のこと。今何をやっているところかを説明する、いわば「ザッピング用ガイド」だ。現在の情報番組やバラエティ番組、スポーツ中継などで欠かせないものとなった。この短文の書き方ひとつで、視聴率は大きく変わってくる。