米国のインフレは実際のところ、どれほど弱いのだろうか。近頃この問いへの答えは、どのインフレ指標を見るかによって変わってくる。連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標の個人消費支出(PCE)価格指数は低迷している。重要なことに、2%というインフレ目標が基準にしているのはこのPCE指数だ。米商務省が27日発表した8月のPCE価格指数は前月比ほぼ横ばい、前年同月比ではわずか1.4%の上昇にとどまった。インフレ動向をより正確に把握するため食料品とエネルギー品目を除いたコアのPCE価格指数(FRBが注視する指数)は前年同月比1.8%上昇となった。コアPCEの上昇率が1.5%となった5月に比べれば、力強い内容だ。だが、低すぎるインフレ率という目下の懸念は取り越し苦労だったとFRBが考えるようになる公算は小さい。