2件の墜落事故を起こし運航停止になった米ボーイング「737MAX」の飛行制御システム「MCAS」には、旧バージョンにあった重要な安全装置が組み込まれていなかった。旧バージョンのMCASは、民間航空機767型機から派生した軍用空中給油機「KC-46Aペガサス」に搭載されていた。関係筋が明らかにした。事故調査担当者は、合計346人が死亡した2件の墜落事故にMCASが関わったとみている。10年以上前に軍用機に搭載するために開発されたMCASは、多くのセンサーからのデータに基づいて動作し、このシステムが自動で機首を上げる力は限られていた。設計に携わった1人はこれについて、MCASが誤った動作をしないよう慎重にチェックする仕組みで、パイロットが機首をコントロールできるようになっていたと説明した。