もしあなたが突然、社長に就任することになり、会社の経営を立て直さなければならなくなったとしたら、どうしますか? 『なるほど、そうか! 儲かる経営の方程式』(相馬裕晃著、ダイヤモンド社、8月22日発売)は、つぶれそうな会社をどうしたら立て直せるのかをテーマにしたストーリー仕立てのビジネス書です。主人公は、父親に代わって急きょ、経営トップに就くことになった27歳の新米社長・千葉早苗。本書のテーマは、MQ会計×TOC(制約理論)。MQ会計とは、科学的・戦略的・誰にでもわかる会計のしくみのこと。MQ会計をビジネスの現場で活用することにより、売上至上主義から脱して、付加価値重視の経営に舵を切ることができます。もう1つのTOCは、ベストセラー『ザ・ゴール』でおなじみの経営理論。経営にマイナスの影響をもたらす要因(ボトルネック)を集中的に改善することにより、企業の業績を劇的に改善させることができるというものです。本連載では、同書から抜粋して、MQ会計×TOCでいかに経営改善できるのかのポイントをお伝えしていきます。

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早苗、マネジメントゲームという体験型の研修に参加する

 5月12日土曜日の午前8時、早苗はゲーム会場に最寄りの神田駅に到着した。

 川上の話によると、ゲームはゲームでもビジネスゲームの一つである「マネジメントゲーム」と呼ばれる体験型の研修だ。

 早苗がマネジメントゲームの会場に着くと、すでに多くの参加者が席についていた。30人はいるだろうか。

 早苗は参加者と談笑している川上を見つけた。川上も早苗に気づき、「よぉ!」と右手を挙げた。早苗はホワイトボードに「席は自由」と大きく書かれているのを見つけ、島型に配置された机の空いている席に座った。

 参加者達はあいさつを交わして、楽しそうに世間話をしている。ときおり大きな笑い声も聞こえてくる。とても賑やかな雰囲気だ。

 「おはようございます!」
 隣の席に座る女性が声をかけてきた。色白で目鼻立ちのきりっとした美しい顔立ちだ。

 「初めてですか?」

 「はい。川上さんに誘われてきたんですが、何をするかもよく分かってなくて……」