世界中でベストセラーとなった小説『ザ・ゴール』を通じて、一躍その名を世界中で知られるようになった生産管理手法が「TOC(Theory of Constraints)」だ。日本語では「制約条件の理論」と訳される。
制約条件とは、企業の目標(ゴール達成)を妨げる、いわゆるボトルネックのこと。原料の段階から、製造工程を経て消費者に商品が届くまでのサプライチェーン(供給網)において、業務進行を妨害するような要素を指す。
TOCでは、生産プロセスにおいてボトルネックとなる工程(=制約条件)の存在に着目。ボトルネックが抱える問題の解決に集中し、5つの改善ステップを踏みながら全体最適を目指す。具体的には、次のような形だ。
(1) 制約条件を見つける
(2) 制約条件を徹底活用する
(3) 制約条件以外を制約条件に合わせる
(4) 制約条件を改善する
(5) 惰性に注意しながら繰り返す