瑞龍寺の背中が見えてきた?
――それはすごい!
能作:高岡市内の観光スポットと言えば、瑞龍寺(ずいりゅうじ、年間約17万人)、高岡大仏(年間約10万人)が有名ですが、この2つの有名スポットに来場者では引けを取らないほど、能作は認知され始めています。
――そこまでに!
能作:僕が社長に就任した2002年当時と現在を比較すると、見学者は300倍に増えました。
――300倍!
能作:中小企業の工場見学者数としては、なかなか例を見ない数字だと思います。
――聞いたことがありません!
能作:来場客の内訳は、県外からが約7割、中国や台湾、アメリカなど海外からの来訪もあります。
僕の会社は、北陸新幹線・新高岡駅からタクシーで15分ほどのところにあり、料金は日中でも3000円以上かかります。
そんな片田舎に、これだけの方がこられるとは、まったく思いもしませんでした。
見学者の小学生からは、「ディズニーランドよりも楽しかった」と、嬉しい言葉をいただいたこともあります。
――そんな小学生も! 素晴らしいですね。
1958年、福井県生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒。大手新聞社のカメラマンを経て1984年、能作入社。未知なる鋳物現場で18年働く。2002年、株式会社能作代表取締役社長に就任。世界初の「錫100%」の鋳物製造を開始。2017年、13億円の売上のときに16億円を投資し本社屋を新設。2019年、年間12万人の見学者を記録。社長就任時と比較し、社員15倍、見学者数300倍、売上10倍、8年連続10%成長を、営業部なし、社員教育なしで達成。地域と共存共栄しながら利益を上げ続ける仕組みが話題となり、『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)など各種メディアで話題となる。これまで見たことがない世界初の錫100%の「曲がる食器」など、能作ならではの斬新な商品群が、大手百貨店や各界のデザイナーなどからも高く評価される。第1回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査委員会特別賞、第1回「三井ゴールデン匠賞」グランプリ、日本鋳造工学会 第1回Castings of the Yearなどを受賞。2016年、藍綬褒章受章。日本橋三越、パレスホテル東京、松屋銀座、コレド室町テラス、ジェイアール 名古屋タカシマヤ、阪急うめだ、大丸心斎橋、大丸神戸、福岡三越、博多阪急、マリエとやま、富山大和などに直営店(2019年9月現在)。1916年創業、従業員160名、国内13・海外3店舗(ニューヨーク、台湾、バンコク)。2019年9月、東京・日本橋に本社を除くと初の路面店(コレド室町テラス店、23坪)がオープン。新社屋は、日本サインデザイン大賞(経済産業大臣賞)、日本インテリアデザイナー協会AWARD大賞、Lighting Design Awards 2019 Workplace Project of the Year(イギリス)、DSA日本空間デザイン賞 銀賞(一般社団法人日本空間デザイン協会)、JCDデザインアワードBEST100(一般社団法人日本商環境デザイン協会)など数々のデザイン賞を受賞。デザイン業界からも注目を集めている。本書が初の著書。
【能作ホームページ】 www.nousaku.co.jp