自動車業界では中国市場の苦境がもっぱらの話題だが、世界4位のインド市場でも今年、自動車の売れ行きが急降下している。ただ、投資家にとって朗報なのは、外国の自動車メーカーが失うものは驚くほど少なく、今後さらに減りそうなことだ。米フォード・モーターは先週、インド事業からの部分的な撤退を表明した。1日、同国の大手自動車メーカー、マヒンドラ&マヒンドラと契約を結び、フォードの現地工場の所有権をマヒンドラが運営する合弁会社に譲渡することにしたのだ。フォードはジム・ハケット最高経営責任者(CEO)の下で大規模なリストラ計画に取り組んでおり、そうせざるを得ない社内事情があった。とはいえ、欧米メーカーには業績のよい時でさえ難しいインド自動車市場が大きく落ち込んだことで、この決断が早まったのは確かだろう。