5G5Gは太くなっただけのパイプにすぎず、業界はそれを「どうにかして魅力あるものにする必要がある」 Photo:Reuters

• ウォール街は収益性を疑問視

 ハイテク業界では、電話から半導体、ソフトウエア、センサーに至るあらゆる新製品の成長ドライバーとして、次世代通信規格「5G」に期待を寄せている。ただ5Gはまだ固まりきっていないアイデアであり、当面の利益の享受者は定かではなくなっている。

 5Gの通信速度は、現行の4G LTEと比べ10~40倍になるとみられており、推進者側はレイテンシー(通信の遅延時間)の短縮などにより、キラーアプリケーションの新たな時代を開くと主張する。ただウォール街のアナリストは最近、収益性に疑問を抱いている。

 ゴールドマン・サックスのアナリスト、ロッド・ホール氏は先週、アップル(AAPL)が5Gに対応するiPhone(アイフォーン)を発売するとみられる2020年までは、5Gは消費者にとって大きな意味を持たないとの見方を示した。顧客向けノートの中でホール氏は「5Gはブランドであって、目玉になる特徴ではない」と述べ、新型iPhoneで予想されるその他の特徴である拡張現実(AR)、新たなデザイン、進化したカメラの方が、消費者にとってより重要だとしている。