米ボーイングの新型旅客機「737MAX」の運航再開を巡り、欧州と米国の航空規制当局の間で溝が深まっている。事情に詳しい関係者によると、飛行制御システムの改善策に関して欧州側が懸念を抱いており、運航再開がさらに遅れる可能性がある。飛行制御システムを中心としたソフトウエア修正の詳細を巡る欧米当局の見解の相違は、これまで報道されていなかった。関係者によると、米連邦航空局(FAA)が運航再開を許可しても、欧州当局からの全面的な支持が得られない可能性がある。欧州航空安全局(EASA)は米側の当局者に対し、FAAとボーイングは修正版の飛行制御システムの安全性を十分に確立していないとの不満を伝えたという。修正では、半導体の不具合による危険をなくすために2台のコンピューターが同時に作動する二重の仕組みを強化することが目的とされていた。