日産自動車で今週始まった突然の経営陣刷新は、仏ルノーに広がった。それがフランス政府にも広がらないのは残念だ。揺らいでいる両社のアライアンス立て直しや、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との経営統合を望むルノーにとって、フランス政府は実に重要な経営陣である。日産は8日、予想されたよりも早くに新たな経営陣の指名に動いた。非常に重要な中国事業責任者の内田誠専務執行役員が最高経営責任者(CEO)に就任する。生え抜きではない国際派の幹部を選んだ狙いは、ルノーとの関係改善にあるとみられる。一方、ルノーは11日の取締役会でティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)の解任案の採決をする、とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は伝えた。ボロレ氏は、昨年11月までアライアンスのトップだったカルロス・ゴーン前会長兼CEOの右腕だったが、日産への対応に問題があるようだ。