米下院は16日、トランプ大統領によるシリア北東部からの米軍撤収決定に反対する超党派の決議案を賛成354反対60で可決した。米軍撤退に伴うトルコのシリア領攻撃による影響を抑えるよう、トランプ政権に圧力をかける狙いがある。今回の決議案は、議員らが米軍撤収への批判を表明する初の正式措置となる。米軍が突如撤収したことで、残されたクルド人武装勢力はトルコからの攻撃にさらされており、過激派「イスラム国(IS)」の復活や中東でのロシアの影響拡大に対する懸念が再燃している。また、IS掃討で重要な役割を果たしたクルド人勢力を見捨てることになるとの批判も上がっている。イラクやアフガニスタン戦争に従軍経験のあるジェイソン・クロウ下院議員(民主、コロラド州)は「この大統領による向こう見ずな決定は友人やパートナーに対して明確なメッセージを送ることになる。それは米国人の握手に意味はなく、あながたが必要としている時に、われわれが支援することはないとのメッセージだ」と述べた。