米下院民主党指導部は今のところ、正式な弾劾調査開始に伴う採決を見送っている。採決によって共和党の中心的な主張を覆せる可能性もあるが、民主党自身を危険にさらす可能性もあるからだ。採決の是非を巡っては民主党議員団が二分されている。採決に前向きな議員がいる一方で、自身に対する政治的攻撃の広告が増えることや、ドナルド・トランプ大統領の挑発に乗ったと受け止められることに懸念を抱く議員もいる。「私は採決が必要だとは思わない。正当性あるプロセスが行われている限りは」。昨年の選挙で共和党の議席を奪ったエレーヌ・ルリア下院議員(バージニア州)はこう語った。同氏は弾劾調査は支持している。民主党指導部スタッフによると、ナンシー・ペロシ下院議長(カリフォルニア州)は採決に対する各議員の考えを知るため、ジム・クライバーン院内幹事(サウスカロライナ州)に調査を指示した。弾劾調査を承認する採決は、リチャード・ニクソン、ビル・クリントン両元大統領に対する過去2回の弾劾調査では実施された。ただし合衆国憲法で義務づけられたものではない。
米下院民主党、弾劾調査の採決回避 一部議員が抵抗
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