著書累計200万部突破! 「人生100年時代」といわれる今、テレビ、新聞、雑誌で話題沸騰の「きくち体操」入魂の書! 『おしりが上がる驚異のきくち体操』の著者である菊池和子先生(現在85歳)が、50年以上の「きくち体操」の歴史のなかで、のべ100万人以上のおしりを触ってたどり着いた、超・健康の極意をお伝えします。

おしりが上がれば、自然とお腹も凹み、姿勢がよくなります。見た目も若く健康的になり、肩・腰・ひざの痛みも消えて、尿トラブルも解消します。健康寿命も延び、認知症も予防できます。

この連載では、「おしりが上がるきくち体操」の実践方法を、基本から紹介していきます。他の体操とは考え方がまるで違い、動く前に意識を変えていただく必要があるため、体操の前にお伝えしたいお話からゆっくり始めていきます。また、85歳にして驚きの若さをキープする菊池和子先生の意外な習慣などについてもご紹介していきます。

年齢を重ねると体の悩みは尽きません。でも大丈夫、あきらめないでください。痛いところや動かないところがあっても誰でもできる方法で、脳と体をよみがえらせていただきたいと思います。

ウォーキングには、おしりの力が必要Photo: Adobe Stock

おしりが痛くなるほど歩いた女学校時代

今で言えば中学生でしょうか。女学校の学生だったころ、私は毎日4キロの道のりを歩いて学校へ通っていました。それでも生徒のなかでは近いほうでした。

履物は、下駄。田舎でしたから、みんなそんな感じの時代でした。下駄で毎日往復8キロなんて今では考えられませんが、それが当たり前だったのでつらいとも思っていませんでした。

道路も舗装されておらず、石がゴロゴロ転がっている砂利道でした。ちょっといい桐の下駄を買ってもらったときは、もったいなくて下駄を手に持って裸足で歩いたこともあります。セーラー服を着て、スカートをはき、かばんをしょって、手には下駄、足は裸足。それでも誰もおかしいなんて思わなかったのですから、今思えばのどかな時代です。

下駄を履いて毎日それだけの距離を歩いていると、何が起こると思いますか? 下駄が5本指のあとどおりにへこんでくるんです。靴を履くようになって足の指を使えない人が増えましたけれど、下駄が当たり前だったころの日本人は、どれだけ足の指の力が強かっただろうと思います。

それだけ歩けば足もさぞ疲れただろうと思われるかもしれませんが、私たちはよく「おしりがくたびれたね」と言っていました。足よりもおしりが疲れてだるくなってくるので、こぶしでおしりをカンカンたたいたり、川の土手に腰掛けて友達といっしょに一休みすることもありました。

「おしりがくたびれる」という感覚は、今思うと優れた感覚だったと思います。ひざから下だけでちょこちょこ歩いていたら、とても学校までたどり着きません。自然におしりから足指まで全部、めいっぱい使って歩いていたから、「おしりがくたびれた」のだと思います。

ウォーキングには、おしりの力が必要
菊池和子(きくち・かずこ)
1934年生まれ。日本女子体育短期大学卒業。体育教師を経て「きくち体操」を創始。川崎本部のほか、東京、神奈川などの教室、カルチャースクールなどで指導を行う。心と体、脳とのつながりに着目した“いのちの体操”は、性別・年齢を問わず多くの支持を得ており、全国で講演多数。著書に、『指の魔法 奇跡のきくち体操』(集英社インターナショナル)、『はじめての「きくち体操」』(講談社+α新書)、『あぶら身がすっきり取れるきくち体操』(KADOKAWA)、『寝たままできる! 体がよみがえる!! きくち体操』(宝島社)など多数。