SUVだけれどカウンター
スペックの数値や、造りの重厚長大さでクルマを選ぶと、いい買い物をしているようで、じつは白黒銀の新古車をディーラーの都合で乗り換えているだけ、という罠に陥りやすい。無難さと硬直は、つねに紙一重なのだ。SUVなら4輪駆動でないと本格派でないとばかり、年に一度あるかないかの週末アウトドアや非圧雪路を心配して、過剰なスペックの一台を自慢気に乗るのは、TPOとしてもはやイタい時代といえる。
そうした硬直や事大主義を、ほとんど風刺的に嗤う反権威主義というか、オルタナ的な車造りをする知性がシトロエンには備わっている。この夏より日本で発売を開始した「C3エアクロス」は、今、流行りのコンパクトSUVながら、色々な意味で冴えている一台といえる。