香港が中国にとって重要な訳:マネーがすべてPhoto:Reuters

 【香港】1997年に中国が香港の管轄権を回復して以降、香港は何兆ドルもの資金調達や貿易や投資で中国と世界をつなぐパイプ役となってきた。

 中国本土と別の制度を持ちながら中国政府に支配されているという香港の状況は、多くの社会的・政治的懸念を引き起こし、それが現在5カ月目に突入している今年の抗議行動につながった。しかし、中国の台頭を可能にしたのもまた香港である。

 現在の香港が中国経済全体に占める比率は、22年前と比べて大幅に縮小している。しかし、資金の出入り口としての香港の役割は依然衰えていない。これは、中国が香港を弾圧した場合に金融面で大きなコストが生じることを意味する。

 エコノミストのジョージ・マグナス氏(「Red Flags: Why Xi’s China Is in Jeopardy〔紅旗:習近平の中国が危機に直面している理由〕」の著者)によれば、香港は法の支配、有能な規制当局、低い税率、自由な資本移動、英語の使用といった面で、中国本土のライバル都市との違いが際立っている。

 上海も、中国各地の自由貿易試験区も「香港のありようと香港が果たしている役割には、とてもかなわない」と同氏は語る。

 中国にとってなぜ香港が金融面で重要なのかを説明しよう。