「前のオーナーさんとは最近連絡取ったりしているんですか」と尋ねる前に「オーナー、昔はしょっちゅう飲みに連れてってもらってたんだけど、最近はこの店が忙しくて会えてないんだよね。残った2店舗の売り上げが悪かったり、人手不足だったりうまくいっていないらしくて会いづらいんだよね」とのことでした。
私は嫌な予感がしました。そしてシゲさんに前のオーナーが経営している2店舗の情報を教えてもらい、後日後輩の浅水くんと2人で行ってみることにしました。
元オーナーのお店を訪れてみると
そこにいたのはなんと…
どちらのお店も飲み屋さんが多くある駅前の大衆居酒屋でした。
最初に入ったお店はシゲさんの言っていた通り、金曜日の19時だというのに客足は少なく外国人の店員さんが暇そうにスマホをいじっています。
店でビールを2杯と焼き鳥を3本ほど食べ会計を済ませ電車に乗り残りのもう1店舗に向かいました。
次のお店に着くと時刻は22時になっていました。店内にはお客さんが自分たちの他に2組ほどでした。
オープンキッチンのお店でテーブル席とカウンター席を選べたのでカウンター席に横並びで座り、最初のドリンクを注文し店内を見渡すと、私が予想していた通りの人物が、店員としてお客さんが帰ったテーブルの片付けをしていました。
そう、まさにそこにいたのは監視カメラに映っていたアジア系の男でした。
私の中で点と点がつながり線になりました。
この事件の裏にはオーナーがいます。
シゲさんにお店を売った後にオフィスビルが建ちお店は大繁盛。かたや残した自分のお店は経営不振、昔はよく遊んでいたのに最近は多忙を理由に断られてばかり。安く店を売ってやったのに何様だとなっていても不思議ではありません。